読書亡羊(どくしょぼうよう)〜2
とーとです。人はみなひとりです。
さて、読書亡羊(書を読みて羊を失う)です。
本を読んでいるというほめられたことをしていても、ばくちという、ほめられないことをしていても、本来の仕事である、羊に逃げられてしまったことに変わりはない。そんな意味だったね。
これに、関係があるような、無いような、教科書を忘れた話をしよう。
とーとが中学生のころの話。
数学の教科書を忘れた友達がいた。その友達は、となりのクラスの友達から教科書を借りて授業を受けていた。どうして見つかったかわからないけれど、先生がそれを見つけて言った。
「教科書を忘れたら、授業は受けられないということだ。気軽に他の人から借りればすむということではない。もっと真剣に授業に向き合わなくてはいけない。今後は、こういうことをしないように。授業を受ける気があるなら、教科書は忘れないはずだ」
1年が経った。
社会科の教科書を忘れた友達がいた。その友達は、教科書なしで授業を受けていた。
先生がそれを見つけて言った。
「なぜ、教科書を他のクラスの人から借りてこなかったのか。1回分の授業が無駄になってしまう。忘れることは誰にでもある。大切なのは、そこからどうするかだ。これからも、いろいろなことがあるが、その時どうするかを大切にしていなくてはならない」
教科書を忘れたことに変わりはない。しかし、まったく、正反対の言葉を先生から聞いた。
以前、君に話したことがあると思うけど、君は今、2人の先生をどう思うだろうか?
読書亡羊(どくしょぼうよう)とかけ離れるがよしとしてほしい。
今日はここまで。