とーと通信

50代後半の父親が息子に語るブログです。よろしければご覧になってください。

羊頭狗肉(ようとうくにく)〜1

とーとです。まいどおおきに。

 

今回の故事成語は「羊頭を掲げて狗肉を売る(ようとうをかかげてくにくをうる)」

にしました。

 

現代の意味は、看板と中身が違うこと。

見せかけは立派だが、中身が伴わないこと。

 

この「とーと通信」のことみたいだね。

 

もっともらしく、昔の格言をタイトルにして、中身は、脱線に次ぐ脱線。元々の意味を外れること、はなはだしいといったらないもんね。

タイトルだけ見て、どれどれとのぞいた人は、中身を読んでびっくりするはずだ。

それをネタにして、第1話、第2話と続けていくのだからまったく自分でもすごいと思う。

 

しかし、単に、昔のことわざ、格言を紹介するだけなら、辞書を引くか、インターネットで調べるかで足りる話だ。

ブログなのだからこれでいいのだ。と、開き直って、好き勝手に話を進めよう。

 

昔々の、やはり中国の、ある国の、お話。

 

女の人が男装をするのが流行した。

今なら別にどんな格好をしても問題にならない。素っ裸で外出すればまずいけど。

当時は、男性と女性との厳格な区別の考え方があった。男の人は男らしく、女の人は女らしく。行動も、身だしなみもしっかりと分けるべきだと考えられていた。女の人が男の格好をするのは風紀の乱れであり、国の乱れるもとだと考えたのだと思う。

あくまでも、昔の話。今では、評論家の尾木直樹先生が「人の数だけ性があるのよ」と言ってるのが、みんなの支持を得ているもんね。

 

とにかく王様は、女性の男装を禁止する命令を出した。

しかし、いつまでたってもその命令が守られない。

実は、王様が、女性の男装を好んで、お妃様に男装をさせていたので、他の民間の人たちがそれを見習って流行していたのだけれど、王様が、命令が守られない理由を家来にたずねても、みんな事実を勇気を持って言うことができないでいた。

そんなとき、晏子(あんし:中国史ではとても有名な人)が、王様の問いを受けて答えたのが、

「王様が、自分の宮中では許可していることを、民間では禁止するのは、門に牛の首を掲げて中で馬の肉を売るようなものです。宮中で禁止すれば、民間でもやらなくなるでしょう」

王様が、その言葉にしたがったところ、男装の流行はぴたりとおさまった。

 

現代の意味と、当時とでは、少しニュアンスが違う感じもするね。

 

王様は気難しい人だったようだから、上手な例え話で話さないと、言うことを聞いてくれないどころか、罰せられてしまう可能性もある。

晏子という人は、まっすぐだったけど、思いやりと知恵もあったみたいだから、うまく王様を諭せたんだと思う。この人のことについても宮城谷昌光先生が本にしているよ。

 

この話が伝えられていくうちに、いつのまにか、「牛首馬肉」が「羊頭狗肉」に変わっていったんだそうだ。

 

当時の中国では、牛の肉の方が馬の肉より高級で、羊の肉の方が狗肉(犬の肉)より高級だったんだな。とーとも犬の肉はまだ食べたことはない。馬と羊とどちらの肉が高級だったのかも、この話を聞く限りではわからない。

 

中国の人はなんでも食べちゃう人たちで、

「空を飛んでいるので食べられないのは飛行機だけ

  4本足で食べられないのは 机だけ

  2本足で食べられないのは  親だけ」と言われているそうだ。

  2本足で食べられないのが「人」ではなく「親」というところがすごいね。

あまり気持ちのよくない話なので、細かくは話さないけど、人をスープなどにして食べさせてしまう話は、とーとは、少なくとも2つの中国の故事を聞いたことがある。

 

お食事中の方、失礼しました。

 

今日はここまで。