行小中則大忠之賊也(しょうちゅうをおこなうはすなわちだいちゅうのぞくなり)〜1
とーとです。
春は眠かったです。
暑くなりましたが、今日も眠いです。
まったく、年中寝ぼけています。
以前「胡蝶の夢」でも話したけれど
(と言いながら、話した本人が「あれ、このお題、前に使ったかなあ?」などと、記憶が混乱していますが…)
本当に、夢の中で生きてるのかもしれません。
さて、今回のお題は、長い。
確か「小忠は不忠に似る」とか記憶していたのだけれど、いくら調べても、この原典しか出てこなかったので、自分で創作して故事成語を作ってもまずいなあと思って、そのまま引っ張ってきた。
またも、昔の中国の話。
大国同士の戦争があった。
すごく激しい戦いで、王様が、目に矢を受けて怪我をするほどだった。
この戦いで大活躍していた将軍がいた。
のどがかわいたので、水を持ってくるように部下に命じた。
部下が持ってきたのは「お酒」だった。
「こんな大変な時に、『酒』なんぞ持ってくるやつがあるか!下げなさい」
将軍はそう言ったが
「水ですよ。酒ではありません」
そう言われて、とてもお酒が好きだった将軍は、差し出された「お酒」を飲んでしまった。
戦いは、その日には決着がつかなかった。
目に怪我をした王様は、今日は少し不利だったけど、相手もだいぶ疲れているから、明日の戦いでは、こちらが勝てると考えていた。
そこで、将軍を呼んで、戦いの打ち合わせをしようと使いを出した。
使者は将軍が酔いつぶれているのを見て、そのままを王様に告げるわけにもいかず、
「将軍は病にかかっています」
そう報告した。
驚いた王様は、自ら将軍のところへ出向いた。
そこで、酒のにおいに気づき、自分の陣営に引き返して言った。
「今日の戦いで、私は負傷してしまい、頼みになるのは将軍だけだというのに、将軍が酔いつぶれてしまっている。こんな状態でとても戦えるわけがない」
王様は、最初は勝てそうだと思っていたのに、軍を撤収させ、引き上げてしまった。
そして、将軍は罰せられ、死んだ。
部下が将軍に「お酒」をすすめたのは、将軍を尊敬していて、少しでも喜んでもらおうとしたことだったが、結果として、勝てるかもしれなかった戦いの流れを変えてしまい、将軍を死に追いやってしまった。
そんな、話だ。
相手に喜んでもらおうとしたこと。
相手も気に入って、喜んでくれたこと。
それでも、結果的に、相手のために、本当は良くなかったことが、いろいろある。
なにかしてあげるのに、目先のことではなくて、本当に相手にいいことかを考えて行動するのが大切だと思う。
けれども、そこまで思いを巡らせるのがまず難しい。
そして、その時には、相手に理解されず、気まずくなってしまいそうなのも嫌なものだ。
本当に相手を思いやって行動するのは、むずかしいよなあ。
君も、多くの仲間たちと接して、多くを学ぶのだろう。
「友情」とか「親友」とかいう言葉をみだりに使うのは、薄っぺらいような気がして、とーとはあまり好きではない。
それでも、必ず、心が通じる出会いがある。
真心と思いやりを持って接してほしい。
今日はここまで。