とーと通信

50代後半の父親が息子に語るブログです。よろしければご覧になってください。

完璧(かんぺき)〜4

とーとです。

 

一向に心が定まりません。

ずっとこんな状態を続けてゆくのかと考えると、いやになっちゃいます。

 

 

さて、

話は、前回の俳句のことに戻るけど、

学生時代の教科書に

「易水(えきすい)に ねぶか流るる 寒さかな」という与謝蕪村(よさぶそん)という人の俳句が載っていた。

どうも、とーとは、この作品の良さがわからなかった。

 

意味としては、中国の故事で

大国の王様を暗殺するために出発する人が

「風は蕭々(しょうしょう)として易水寒く

     壮士 一度(ひとたび)去ってまた帰らず」と

うたったことを下敷きにしているそうだ。

 

易水(えきすい)とは川の名前。

刺客として出発する人の悲壮感が出ている話だ。

 

与謝蕪村は、この史実に登場する川に、想像上、ネギを流して寒さを際立たせた俳句を詠んだと先生に教えてもらった。

 

俳句の世界では、とっても有名な作品で、名作なんだそうだ。

 

しかし、どうにも作為的な感じがして、この作品の良さが理解できず今日に至っている。

 

 

さて、それでは、完璧(かんぺき)の続き。

 

藺相如(りんしょうじょ)は、趙(ちょう)の王様の命令を受けて、秦(しん)の王様に璧を届けに向かう。

 

秦(しん)の王様は、璧を受け取ると、同席している家臣やお妃さまなどに見せびらかし、交換することになってる城の話を一向に始めない。

 

そこで、藺相如(りんしょうじょ)は、

「実は、この璧には、小さい傷があるのです。お教えしましょう」

そう言って、璧を取り返すと、柱のそばに駆け寄って言った。

「わが国では、この取引の話を疑う意見が多かったのです。しかし、私は、『庶民の間でも他人をだますのは恥ずかしいことだとしています。ましてや、大国である秦(しん)の国が約束をやぶることなどないでしょう』と話しました。わが国の王は、私の意見を入れて、5日の間身を清めるという礼をつくして、この璧を渡すことにした。しかし、そんな礼儀をつくしたおこないに対して、あなたは、あまりにも非礼で誠意のない態度をとってます。このまま柱に璧も自分の頭もたたきつけて割ってしまいましょう」

ものすごい怒りの表情で、冠を突き抜けるほど髪を逆立てたという。

これから、「怒髪天を突く(どはつてんをつく)」という有名な言葉が生まれたんだよね。

 

それで慌てた秦(しん)の王様は、急いで地図を持って来させて、交換する15の城について話をしたが、大きくて軍事的にも重要で、とても手放せるはずもないと思われる城ばかりを指定した。

これを聞いた藺相如(りんしょうじょ)は、うわべだけで、城を渡す気はないと見抜き、秦(しん)の王様に、5日間身を清めてから、受け取ってもらうようにした。

時間かせぎだった。

この間に、璧をひそかに趙(ちょう)に持ち帰らせてしまった。

 

5日経って、秦(しん)の王様の前にすすんだ藺相如(りんしょうじょ)は、

「あなたに、本当に城を渡す気がないようにみえたので、璧は国に持ち帰らせました。先に15の城を渡していただければ、璧をお渡しいたします。しかし、王様であるあなたに、私はたび重なる無礼をはたらきました。どうぞ死刑にしてください」

と言った。

 

それを聞いた秦(しん)の王様は、怒るよりも感心して、

「殺したところでなにも得られない。恨みを買うだけである」

そう言って、藺相如(りんしょうじょ)を帰国させることにし、璧と城の交換の話はなかったことにした。

 

秦(しん)の王様は、藺相如(りんしょうじょ)の態度に本当に感心して許したのだろうか。

殺してしまうと、自分の落ち度が目立ってしまい、評判が落ちて、国際的な信頼が失われることを考えての政治的な判断だったようにとーとには思えるけど。

 

無事に任務を果たして帰国したこの話が

「完璧帰趙(かんぺききちょう)」という言葉になり、縮めて「完璧(かんぺき)」となったそうだ。

本来の意味は

「元のままの姿で持ち主に戻す」といったところだろうか。

 

あくまでもとーとの勝手な考えだが、

和氏の璧(かしのへき)は傷がなくてperfect

藺相如(りんしょうじょ)の一連の行動が、落ち度がなく、任務を全うしてperfect

そんな感じが、今日の意味につながっているような気がする。

あくまでも、想像だけどね。

 

このことで、藺相如(りんしょうじょ)は、趙(ちょう)の王様の大きな信頼を得る。

そして、さらに大活躍するのだ。

 

今回は字数が多くなったなあ。

疲れました。

 

今日はここまで。