とーと通信

50代後半の父親が息子に語るブログです。よろしければご覧になってください。

宋襄の仁(そうじょうのじん)〜3

とーとです。なんとかやってます。

 

「宋襄の仁」という故事成語について語ったけど、その中で宮城谷昌光先生の本の話をした。

「華栄の丘」という作品だと話したよね。

今日は、この本の主人公である「華元(かげん)」という人について少し語りたい。

ただ、出版されている本なので、細かなストーリーとかは話せないよ。

 

「華元(かげん)」この人は「宋(そう)」という国の大臣。

大きな失敗をやらかしたことで有名なんだけど、その話は、本を読む前からとーとも知っていた。

でも、宮城谷先生の作品で印象がすごく変わった。

歴史上の人物の中で一番と言っていいくらい好きな人になった。

 

まず、考え方がユニーク。

相手が、卑劣な方法で攻めてきても、それは一時しのぎ、最後は徳の力で自分が挽回できる。正しさを欠いた行為は一時しのぎだと考えていた。賢い者は、後から立つと考えていた。

戦乱の時代にあって、自分から仕掛けることを好まない。

なにより、相手を徹底的に追い込むのを好まない。

こんな人が、どんなふうに、大臣として、多くの困難に対処して国を保とうとしたのか。

どう、読みたくならないかい?

まあ、興味ないと言われれば、とーとも「モンスト」の面白さがさっぱりわからないから諦める。

 

でも、宮城谷先生の古代の中国を描いた作品は、その時代の思想がいきいきと感じられて面白い。

特によく語られたのが「ほどよく勝つ」という思想。

戦争に勝っても、敗者を徹底的に滅ぼすことを「恨みを買う」として避ける思想があった。当然これがすべてではなく、異なる例もおおいけどね。

徹底的に相手を辱めると、その後ものすごい復讐にあうから、ほどほどのところでこらしめておいていいにしようということだろうと思う。当然、とーとは宮城谷先生には遠く及ばないから勘違いして言っているかもしれないけど、一読者の意見として聞いてね。

 

西洋では、ローマがカルタゴを滅ぼした時、全てを殺して、作物が育つこともないように土地に塩を撒いたと伝えられているから、この辺の思想の違いというのは興味深い。

 

今の社会、相手を徹底的にたたくことが多いような気がする。何か問題があると、SNSの炎上があり、週刊誌が叩き、関係ない過去のことまで暴露し、ワイドショーで連日関係ない人が好き勝手言う。でも、新しいターゲットができるとすぐ忘れちゃうから、徹底的なのかどうかよくわからない部分もあるけど‥。

 

とにかく、相手を逃げ道のないところまで追い込むのは利口ではないと思うよ。

色々あるさ、にんげんだもの

 

兵法では、城を攻める時、一箇所は開けておくことが良いとされている。必死になった時の人間の怖さというものを知っていたんだね。

幸いとーとは、人をそこまで追い込んだ経験はないつもりだけど。わかんないけど‥。

 

ほどよさが、大切。異論のある方も多いかもしれないが、とーとはこれで行く。

 

今日はこのへんで。