とーと通信

50代後半の父親が息子に語るブログです。よろしければご覧になってください。

東奔西走(とうほんせいそう)〜1

とーとです。

 

目が回る忙しさに、お題を「東奔西走(とうほんせいそう)」にしました。

 

前回もお話しましたが、仕事だけではなく、いろいろな面で、あちこちかけまわっています。

そして、うっかり忘れます。

ミスが出ます。

ロスが出ます。

ますます忙しくなります。

 

早いもので、もうすぐ12月。師走(しわす)です。

お師匠さんも忙しくかけまわる季節らしいです。

 

お題の意味は説明しなくてもわかるでしょうねえ。

ただ、四字熟語ではあるけれど、古事成語ではないようですが‥。

 

 

さて、お題とは関係ない話をする。

 

君の学校を訪問させてもらったよね。

君は数名の仲間と、なにやら話し込んでいた。

楽しそうだった。

遠慮して、声をかけずに眺めていた。

うれしかった。

学校もいい雰囲気だし、なにより、君の居場所がここにあった。

 

とーとは心配性なので、あまりの雰囲気の良さに、ここを卒業して、実社会に出たとき大丈夫なのかと気がかりになってしまったほどだ。

 

とーとは、高校時代にあまり楽しい思い出はない。

 

勉強は、まあそこそこで、3年生の秋までは進学するための勉強をしていた。

地元の田舎の高校だった。

学校は荒れていたわけではないけれど、くだらないことてぐだぐだ揉めているように感じられて、居心地はあまりよくなかった。

やたら、上下関係はきびしかったね。

電車で通ったけど、乗る車両の位置が、学年ごとに暗黙で決められていたような幼稚なところがあったねえ。

まあ、荒っぽい奴はなるべく避けるようにして、おとなしく過ごしていた。

 

詩や随筆を書いたくらいで、思い切りなにかをした思い出もない。

 

先生に無理やり入れさせられた生徒会で、人の無責任さを味わった。

 

お前たちのために、好きでもないのにかけずり回ってる。

でもお前たちは、文句ばかりならべて、なにも協力しない。

動かない。知らんぷり。

周囲はそういう打算には長けていた奴らが多かったような気がする。

そうでないのもいたけどね。

 

多分、その頃から、心は病んでいたのだと思う。

 

同期の人に語らせたら、それなりに思い出深い高校時代だというのだろうなあ。

すべては、とーとの主観になるから、自分自身が悪いのだろうね。

 

ふさぎこむ日々が何日かあった。

 

まあ、とにかく、学校には真面目に3年間通った。

 

そして、家の事情で、進学をあきらめた。

 

入ったのは、地元の役所だった。

昔の時代なので、仕事は先輩の書類を見たり、ときに質問したりして覚えることになり、要領が悪いとーとは、ずいぶん苦労したよ。

仕事と、学校の授業とは180度くらいちがうから、面食らったよ。

今なら、新入社員の研修カリキュラムなんかがあるんだろうけど、そんなものはなかったからね。

社会のことがよくわからないままに社会人になっちまった。

 

当時、公務員は「公僕(こうぼく)」と呼ばれていたよ。

みんなの奴隷みたいなもんだ。

「みんなを助けられる」と自分を納得させて、就職したとーとは、たちまち、公務員パッシングという時代の嵐の中に放り込まれたのだよ。

 

もともと、本の中の世界が好きだったとーとは、現実世界の広がりとは無縁の中、社会人としての一歩を踏み出してしまった。

 

また、本の中に閉じこもっていたような気がする。

何を言われても、真面目に、一生懸命にはやってきた。

真剣に話を聞き、できるだけのことはしてきた。

でも、「無力だなあと」思っていた。

 

今でも後悔するのは、大きな人に出会えるチャンスを自分から作ってこなかったこと。

たくさんの人という意味ではない。

でも、大きな人と出会うには、多くの人との出会いが必要なのかもしれないけど。

 

友人と語らっている君を見て、とーととしては、とてもほっこりした気持ちになった。

世の中は、決して「クレーマー」ばかりじゃない。

だけど、仕事をするようになると、おのずと、お客様という存在ができてくるのよね。

 

「お客様は神様だろ!」

「神は死んだ」

ニーチェ先生より)

 

お客様を包み込むこような対応ができるのは、接客に長じたお母さんの長所なのだが、これは、どうも天性のもので、見習うとかそんなもんではないような気がする。

 

これから君は、いろんな人と出会い、いろんな影響を受けてゆく。

大きな人と出会って、大きな人になって欲しい。

ちっぽけなことは笑って蹴飛ばせるような人間になってほしい。

 

小さなことへの感謝と優しさとを忘れてはいけないんだけど。

矛盾してるかなあ。

 

親友と言えなくてもいい。

「仲間たち」の存在があれば、必ず蹴飛ばせるよ。

 

とーとの暗い高校、就職直後の時代の話をした。

また、折に触れて話の続きを語るのだろう。

そういう時代だったし、その時代にとーとはなじめなかったということなのだろう。

自分の若い頃を振り返って「いい時代だったなあ」という人が大半なんだろうし。

 

いい仲間がいる。

君はそういう高校時代がおくれているようで、何はともあれ一安心。

ここまで来るのに君が歩いてきた道に、敬意を表し、ここに表彰します。

 

とは言っても、いろいろあるだろうし、そうでないのも問題だろうしね。

 

これから先も、いろいろあるだろう。

なんとかなるさ。

明るく楽しく。

 

とーとの体験談は、病気との関係上、かなり暗めになってしまうが、反面教師としてほしい。

 

とーとの見たところ、君は、君たちのための時代に生まれてきたように見える。

 

いいことだ。

 

今日はここまで。